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愉悦を奪い与えつつ、すべてを暴き立てる。
自分の上に圧し掛かった己が身を容赦なく貫く男の身体に、なにを躊躇することがあるっての。
この背中の傷に遠慮してんの?
それはもう過去のもので、ただ刻まれてそこに有るだけのものでしかないのに。
ただこのまま、自分が背負ってくだけのものなのに。
そこに新たに刻まれるのなら、アンタに付けられる傷がいい。
いつまでも消えずに残ればいい。
痛みも記憶も上書いて。この先ずっと残り続けるほどに。
なのに。なんでいつもアンタは、俺を見て辛そうな顔すんの?
俺の過去の残像に、痛みにその瞳を歪ませるの?
この背中の傷は、アンタの心の中に未だ残る傷を思い起こすだけのものでしかないの…?
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