nowhere

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「俺、そろそろ行くわ。」 ちょっと名残惜しかったけど。 混ざり合ったふたりぶんの熱と香りの残るシーツから先に抜け出した。 ベッドのまわり、床に散らばる脱ぎ落された衣類から、自分の分だけを選んで拾い集める。 「あれ?今日は非番じゃなかったのかい?」 「これからデート。」 「ほぉ。」 「んふ、妬いた?」 「いい傾向だと思って。上手くいくといいな。」 ダメージの効いたジーンズ、タンクトップと身に着けて、乱れた頭手櫛で雑に整えてからの一呼吸。 ゆっくり振り向いた。 「…それ本気で言ってんの?」 「もちろんだよ。」
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