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ーーふふん。あれか…、ヴァリス大佐の肝いりは…。
ルガーは準備運動をしたりして自分の搭乗訓練を待つ士官学校の生徒たちの中から、ある一人を見つけ出す。
その少年の髪は黒色。
周りが純血バルバレスト人の多い士官学校では浮いた、異質とも呼べる存在だ。
彼の名前は確か…
「ジスト…、ヴァリスだったな?」
ルガーが声をかけようとした時だった。
一人の男子生徒がジストに詰め寄るように話しかけた。
男子生徒は金髪に赤い瞳。
絵に描いたような純血バルバレスト人だ。
ーーこりゃ、タチの悪いのにからまれたな。
と、ルガ―は成り行きを見守ることにした。
アベルが訓練を進めてくれているので、まあ、いいだろうと面白半分の気持ちだった。
『この国』で黒い髪がどのように思われているか良く分かる絵面。
自分も特殊な出身と赤い髪ではある程度は悩まされた経験があるルガーはジストがどう出るのか興味深いし、どう対応するかでこのジスト・ヴァリス、大佐と同じ名を持つ少年の底の深さ、浅さがわかると思った。
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