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「な、そうだろ?」
ルガーは挑戦的な目で男子生徒を見た。
それは同時に多くの死線を戦い抜いた戦士の目でもある。
ルガーが発した殺気に気圧されたのか、拳を下ろした男子生徒は、
「そ、そうです。」
ルガーに申し訳なさそうに言う。
すると、
「だ、そうだ。ジスト・ヴァリス訓練生。これから君たちに実践形式の搭乗訓練をしてもらおうじゃないか。」
ルガーは畳み掛けるように言うと、めんどそうに見ていたアベルも「仕方ないなぁ。」とため息をついた。
アベルもジストの実力は聞かされている。
クラスでのジストの立場をはっきりさせるには、一番手っ取り早い方法かもしれない、と思ったからだった。
「分かりました。
これから、第2グランドを使用して模擬戦を行います。ジスト君もそれでいいわね?」
………。
ジストは頷く。
その目には闘志とは違う、別の意志が宿っているように、アベルとルガーはおもった。
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