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『親父さんは帝国議会上院の議員。プラス、純血派団体【アルドラの丘】の会長だってよ。』
「何が言いたいんです?」
ジストは完全に面白がっている口調のルガーの真意がつかめずにいた。
『熱くなるなって話さ。伝統の大剣を使いたがるのは、ある程度腕の立つ純血の証。ヴァリス大佐の話が本当なら、お前が負けことは無いと思うけど、血気盛んな相手にあてられて冷静さ無くしたら負けるぞ?』
「いま、あなた自身がすごく僕をかき立てそうな話題選んでるのわかってます?」
『は?ワザとに決まってるだろ?』
「……。」
『まあ、勝ってこいよ。話はそれからだぜ。』
ジストはルガーの言葉から、自分が知らず知らずのうちに熱くなっていることに気付いた。
『クラッジス訓練生、ジスト訓練生。準備はよろしいですか?』
ルガーからの通信が切れ、代わりにアベルの声が通信に響き始めるがジストは不思議と冷静な心持ちでいた。
操縦桿を一度握りなおすと、目をつぶり心の目でモニターを睨んだ。
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