第1話 騎士

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 青すぎるほど青い空の下で大きな轟音が響いた。  既に廃墟となっている旧市街の上空。その空間を切り裂く者がいた。  数は4つ。  体長にして10m。  それに比例してその四肢も巨大だ。  強靭な青色の外骨格に覆われたその者の名は 、  ブリッツ・フレーム  騎士を思わせる造形は戦闘兵器の禍々しさと、荘厳さを併せ持っていた。  背の翼型推進装置(スラスター)からは緑色の炎を放ち、空間を巧みに移動する。  現在は赤い色のBF(ブリッツ・フレーム)を三体の灰色のBFが包囲するように追跡していた。  灰色のBF達は手に保持するマシンライフルを放つが、赤い色のBFは乱機動で躱す。それは、一方的な攻撃にも見えるが赤と灰の機体の動きの歴然とした差を目の当たりにすれば、優勢は赤いBFにあるとわかるだろう。  それどころか、赤い機体にはこの状況を楽しんでいる様子さえあった。
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