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「はい、すいませんでした。」
「分かればよろしい。」
格納庫前。
土下座の姿勢でサイリスに謝るルガーの姿を部下達が恐々と見つめる。
日常茶飯事ではあるが、けしてコミカルでもないこの状況。
ルガーは恐る恐る顔を上げた。
「あの~?」
「発言を許した覚えはないぞ、中尉?」
「そ、そうですよね~。」
黒の士官用軍服に身を包んだサイリスの威圧感はかなりのものだ。寄らば切るぞ、というより、寄った瞬間に爆裂粉砕されそうな雰囲気がある。
まったく………。
と、サイリスも自分の部下に呆れ返っていた。
腕は確かなのに、いつまでたっても成長しないルガーに、
「呆れた。今回ばかりは本当に………。」
「とか、言いながら最終的には許してくれるじゃないですか?」
「………。」
無言でルガーの頭を踏みつけるサイリス。
さらに引く部下達。
「中尉。貴様は性根から叩き直さないといけないようだな?」
格納庫前の滑走路のコンクリートに頭がめり込むほどにルガーを踏みつけるサイリス。
もし、この場にサイリスの専用BF【グランセル・ヴァイドバイパー】があったならば、ルガーの命はなかっただろう。
「だが、」
サイリスはニヤリと笑い、
「今日は比較的気分が良い。」
「じゃあ。まさか………!!」
嬉々とした表情でルガーは顔を上げるが、
「貴様に任務をやる。」
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