第2章 霧島視点(「僕らをつなぐもの」より)

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安藤 寛貴(アンドウ ヒロキ)。 同じ高校の同級。 オレの……彼氏。 金髪のオレとは対照的に、一度も染めたことが無さそうな黒い髪。 オレの顔半分ほどまでしかない背丈。 で、かなりの純情ウブ男。 知り合って8ヶ月。 正式につき合い始めて2ヶ月……か。 そのまま、あいつの横顔を眺めていると、不意にもう一方のコートから沸き上がる歓声。 徐にそちらへ視線を投げると、コート内で流れるようにボールを操る黒髪ショートボブの女に目を奪われた。 背丈は安藤と同程度か? 女の目前にそびえ立つ、女より頭ひとつ以上抜き出た高身長の男と向き合い、ドリブルを続けている。 威圧する身長差に全く臆することなく、相手を見据えると、一瞬のフェイントで裏をつき、そのままゴール下へ走り込みシュート。 再び沸き起こる歓声。 ……へぇ!すごいじゃん! 見た感じオレらと同年代か。 俄然興味が湧く。 直後、試合終了を告げるホイッスルが鳴り響き、女の顔に笑みが溢れた。
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