第一章

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いつもよりも目線が低い気がする。 草原に着いている靴は小さく、手も小さい。 「クルト、遊ぼうよ!」 声のする方に振り返ってみると、同じくらいの目線の男の子が立っていた。 4、5歳くらいだろうか。 「クルトは10数えたら探しに来てね」 「うん、わかった!」 そう言って10数えた俺は男の子を探しに行った。 けど、草原には隠れられるところなんて無く、ただ地平線が広がっていた。 「どこにいるのー?」 辺りを見回しても誰もいない。 まるで世界には自分しかいなくなったみたいに。 孤独が俺に襲ってきた。
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