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「クルト、朝だぞ! 起きろ! 今日は町に行く日だろ」
直後、クルトは激しく揺さぶられた。
「もう少し優しく起こしてよ、ドーラン…」
頭がぐわんぐわんするが、お陰で完全に目が覚めた。
「寝起きの悪いお前を優しく起こして起きた試しなんてないだろ」
ドーランは笑いながら首の辺りを掻いた。
今日は納税の日だ。
山を下りて、町にいかなければならない日だ。
ついでに言うと月に一回の買い物の日でもある。
山の軽斜面の小屋に住んでる俺たちは農業で生計を立てている。
だから食物に困ることは無いが、生活用品を買う必要はある。
「用意するから、下で待っててくれ」
「あいよ」
どことなくはしゃいでいるように見えるドーランの背中を見送り、支度を始めた。
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