物語:別れの直後

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貴方が私にくれた最後の言葉…今までくれた言葉の中で一番優しく、そして一番悲しい言葉だったよね…       二人が作り上げてきた一つの未知。そのすべてが、今まさに静かな音をたてて壊れてゆく…   この瞬間… 出会ったばかりの二人の面影は、はるか遠くの思い出となり、楽しかった時間や貴方から与えられた多くのものは『貴方』をのり超える為の『壁』とならなくてはいけなくなった。     貴方を忘れるのに何ヶ月… いや、何年かかるかな…     …きっと、忘れる事なんかできる訳がないんだ…。 そう、絶対にそんな訳ない。貴方を完全に頭の中で消す事なんて…。       メールの数が少なくなってきてたとはいえ、昨日まで迷いなく好きだった、メールの向こうで、きっと微笑んでいるであろう貴方の笑顔も。   『お前の背中を見てると、なんかギュッってしたくなる』って言ってくれた、いつかの甘い声と腕の温もりも。   得意気になって、子供扱いしては、イヂワルをしてくる貴方の憎めない性格も………。     …ふと気付けば、 いつからか全部が『当たり前』で。いつの間にか大切で…。 かけがえのない『大切な時間』なんて考えは、いつしか失ってた自分が今は虚しくて、くやしくて… だから、貴方をすべて忘れれる事なんてできない。 これから何ヵ月間かけて、後悔って言葉で理解してしまうほどのたくさんの思い出と、最後にくれた貴方の言葉…『ごめん。』と共に。 決して…。
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