物語:寒空

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もしも、僕の背中に羽根があるのなら、この夜空を越えて、今すぐにでも君の元へと羽ばたいてゆくよ。 もしも、僕の気持ちが君へ届くのであれば、何百、何千、何万…いゃ、星の数ほどの願いを込めて手紙を送るんだ。 もしも、君が僕を想う瞬間が少しでも増えるのであれば、僕はどんな困難でも乗り越えてみせる、約束するよ。 大袈裟な事なんて一つだってない。 ただ、この夜に君を想うだけで大切にしたい言葉や想いが膨らんでくし、歩き慣れたいつもの夜道でさえ、彩り溢れる花道にさえ見えるんだ。 不思議だね。 次から次へと生まれる嬉しさが、言葉だけで過ごす夜を切なくさせる。 ゆっくりでいい。 頭はそう言うのに、君に逢いたくて今にも走り出してしまいそうになるよ。 凍える家路途中。 『君は今どんな想いかな?同じだといいな。』 そんな気持ちを夜風に馳せて、理想を夜空に願いながら。
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