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とかいう現実逃避を頭の中でやっていてもその間にもレミィはこっちを見て返事を待ってる。
不安そうな顔で俺と兄さんの表情をうかがってる。
「駄目だよ、軽い気持ちで旅をするなんて危険だ」
いくら記憶のない俺でもそれくらいは分かる。
現にさっき俺自身が襲われたし、ああいうのが今後も来ないわけじゃない。
それを考えたら危険すぎる。
「軽い気持ちなんかじゃありません!
私、親に見捨てられて…その時、祖母が助けてくれて…ここまで私を育ててくれたんです。
そんな祖母が原因不明の病にかかった時、私は何もできませんでした…私は、無知すぎたから…!
だから、せめてその不治の病の正体だけでも突き止めたいんです!」
今まで会ってきた中で、一番意志の堅い目をしていた。
本当に真っ直ぐで綺麗な瞳で、俺たちに言うと勢いよく頭を下げた。
「だから…だからどうか…お願いします!」
緊張なのか泣きそうなのか、はたまた両方なのか。
レミィの声は震えてた。
「どうしよう、兄さん…」
記憶が無い俺より、いろいろと知ってる兄さんから言われる言葉の方がきくだろう。
ここは兄さんにきっぱり断ってもらおう。
いくら女好きとは言え流石に首を縦にはふらないだr
「いいよ。
待ってるから、早く準備してこい」
はい?
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