第3話

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胸がざわつく。 今まで思い出したいと思ってたのに、両親の話を聞いたら頭痛がした。 思い出したくない。 「いや、いるよ」 俺の頭痛を忘れさせるみたいに兄さんはくしゅっと俺の頭を撫でる。 不思議と頭痛も軽くなって、胸騒ぎもなくなった。 「何だよ…不安にさせるようなこと言うなし。 それに兄さんの手あか俺の頭につけないで」 「つけてねぇよ!! 撫でてんだよ!」 兄さんの手をはらって小さく安堵の息をつく。 「兄さんが変な言い方するせいで、凄い頭痛と胸騒ぎがしたんだからな」 てっきり今は亡き両親を悼んだものと思った。 「はは、わりーわりー! まぁでも今日はここまでな」 「はぁ?!」 ふざけた口調の兄さんについ大声をあげてしまった。 俺設定上歳の割には落ち着いた性格なのに。 「おーい、しっかりしろー」 あ。やっば。 「しっかりしてるよ。 結局何も思い出してないんだからこれで終わりはおかしくない?」 兄さんのムカつく程のイケメン顔を睨むと女性達が黄色い声あげること間違い無しな笑顔を俺に向けてきた。 「レミィを待たせちまうだろ。 ほら、早く行こうぜ」 言うだけ言って、先に歩いていく兄さん。 …本当に、なんだって言うんだよ。
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