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「はぁ、はぁ……!」
まだだ。
まだ追ってくる。
しつこいな。
「ったく、なんだよコレ!
野郎におっかけられんのは趣味じゃねーのに」
「喋ってないで走って!」
「はいよ」
水溜まりを踏んで水が俺の靴に跳ね返る。
息切れがはんぱない。
休みも無しに走りつづけたせいでもう体力も限界だ。
「ちょ、大丈夫かよ?」
駄目だ。
もう走れない。
限界だ。
「クソッ、男は根性だ!
ヴィオ!!一か八か、飛び降りるぞ!!!」
「嘘だろ?!いくらなんでも無理だって!」
「それしか生き残れないだろ!
俺は美少女に膝枕されて永眠、て死に方以外認めないぜ!」
なんだよその理由!
そんなんで海に飛び込めるかよ!
突っ込む気力もないのに!
「さぁ…大人しくこちらに戻ってこい!」
追い込まれた。
もうだめ………
は?
「海を女性のお胸様だと思って
息止めて飛び込めぇえ!!!!」
海に、まっさか………さま?
「いや、意味分かんないからぁあ!!」
終わった。
グッバイ俺の人生。
俺は海に---落ちた。
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