第3話

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ヴィオside 「凄いなレミィ、こんな安くて広い宿を見つけちまうなんて!」 「そんな…ここの亭主さんと面識があるから安くしてもらえただけですよ」 兄さんに褒められてはにかみ笑いを浮かべるレミィ。 記憶のない俺に宿の高い安いの基準は分からないし話にも入れないから、俺はベランダにでてぼーっとすることにした。 「いいから金よこせっつってんだよ!」 ん? うわ…五人も寄ってたかって一人の男の人囲んでやがる。 「ちょっと出掛けてくる」 さっき置いたばっかの弓矢を持ってそれだけ言って宿を出る。 兄さんの呼び止める声も聞こえないふりをして。 「なにへらへらしてんだよ気持ちわりぃ!」 「もしかしてお前、マゾ? いじめられて喜んじゃうような変態だったのかァ?ギャハハ!」 この短時間で男の人殴られてるし…。 「おにーさん達、すっごい邪魔くさいんですけど…うわ、しかもカツアゲですか? うわっ、だっさ。やだやだ、汚い大人の見本ですね」 五対一で囲んでるそこのクズ軍団の後ろに言って声をかける。 なんで周りの人も助けないんだよ。 人一人が五人に囲まれてリンチみたいなこと受けてるのに……!
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