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五人が去ったのを確認すると、その囲まれていた男はふわりと笑ってこっちに来た。
「助けてくれてありがとう。
僕はアイヴィア。
アイヴィア・リローテスだよ」
「アイヴィア、さん…」
名前を覚えるための復唱ついでにアイヴィアさんをまじまじと見る。
出ましたイケメン。
爆発しろ。
しかも美声。
はぜろ。
「綺麗な人だね、ここの人?」
前言撤回。
俺のこと褒めてくれたから爆発しなくてよし。
単純だって気にしない。
俺の思考は俺のもの。
とりあえず首を横に振っとく。
「旅の最中です」
「綺麗な男の子の一人旅かぁ…あはは、なんか小説みたいだね」
小説だからなとは言わないぞ俺は。
てか爽やか系イケメン(しかも美声)の人に綺麗綺麗連呼されるとまじめに照れるんだけど。
「一人旅じゃないです。兄と、もう一人います。
アイヴィアさんはここの人なんですか?」
とにかく話を変えよう。うん。
本気で恥ずかしくなる前に。
「ううん、違うよ。帝都から知り合いに会いに来たんだ。
馬車の時間までもう少しあったからブラブラしてたら絡まれちゃって…あ、そうだ。
お礼をしないとね」
帝都かぁ…遠いだろうな。
そんな事をぼーっと考えてたら小さな箱を差し出された。
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