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「オ……!ヴィ…!
ヴィオ!起きろ!!」
「ん…にい、さん……?」
兄さんのうるさい声で目をあけると、ぼやける視界を心配そうに俺を見る兄さんの顔が覆っていた。
「よかったぁ…!目を覚ましたんだな!
うまく村の海岸に着いたみたいだ」
体を起こして周りを見渡してみると、家畜の世話をしている夫婦や畑を耕す手伝いをしてる子供達の姿が目に入った。
一部の人達は俺のことを心配してくれてるのかこちらを見てる人もいた。
「どれくらい…流されてたんだろう」
雨の降る夜、俺達は崖から波の荒い海に飛び込んだ。
(ただしく言うと俺の腕を掴んで兄さんが飛び込んだ)
でも多分今は真っ昼間だから少なくとも半日以上は経ってることになる。
「あの……大丈夫ですか?」
声のした方を見ると、白いワンピースを着たかわいらしい女の子がいた。
「あ…だいじょ「それが…もう腹ペコで死にそうなんだ…!」
遮られた。
しかもなんかわざとらしい演技始めたよこの人。
「もう、だめだ…! くそっ、かわいい女の子の手料理でも食べれれば…!
白いワンピースの女の子の手料理が食べられれば元気もでるのに…!」
海に落ちたときにこの人は頭を打ったんだろうか。
ついでに顔も打ってくれればよかったのに。
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