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案の定しょっぱい漬け物を食べながら、会話をする。
「そういえばレミィちゃんの家族は?」
「あ…祖母と二人で暮らしていましたが二年前…不治の病で、亡くなってしまいました」
馬鹿兄さん。
なんてこと聞いてるんだよ…。
「そう…気まずい事聞いちゃったね…兄さんが、ごめん」
とりあえず謝ることが優先だ。
レミィに頭を下げると、すごく懐かしい感じがした。
きっと俺は昔からこんな風にバカな兄さんのために、何度も頭を下げてきたんだろう。
「いえ、そんな…!もう歳でしたし、仕方ないですよ。
…ただ、村のお医者さんや町から訪れてくれるお医者さんも病の原因が分からなかったんです。
だから祖母は一ヶ月間ずっと目を覚まさないまま逝ってしまったので…別れの挨拶ができなかったのは、残念ですけど」
悲しそうにしながらもレミィは話してくれた。
やっぱりレミィは優しい子だ。
優しくて可愛いとか、絶対モテるよね。
女好きな兄さんが食いついて仕方がないだろうに。
…て、あれ?
「兄さん、珍しくくいつかない…ね…?」
兄さんの方を見ると
兄さんは、震えていた。
顔も真っ青で、口元を手で覆っている。
こんな兄さん、俺は知らなかった。
いや…覚えていなかった。
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