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「そんな……!!」
確信したと思った。
だけど、目の当たりにした現実はそうじゃない。
4階の角部屋。
かつて綾女が暮らしていたあの部屋には、いくら待てど、明かりが点
る気配がない。
この位置から見える最上階の窓は、どこも明かりが消えたまま静まり返っている。
「怜、あまり人様の家をじろじろ見るんじゃない。
さ、行くよ?」
ばあさんは俺の手を引き、旧国道の方へと引っ張っていく。
俺は諦め、ばあさんに手を引かれるまま再び家路に就くしかなかった。
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