第一話 りょう

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まさか… まさかそんなはずない。 絶対にあり得ない。 私はそこら辺に放り投げてあった洋服に急いで袖を通すと、寝癖も直さずに足早に部屋を後にした。 信じられないことが起こっている。 起こっている? いや、起こっていない。 絶対にこれは夢だ! その電話は突然だった。 前日に都とランチタイムのチーズインハンバーグセットを食べ、カラオケのフリータイムで23時まで騒ぎまくった。 その後も近所のファミレスで2・3時間語り明かして、さよならをする頃には時計の針は5時を過ぎていた。 だから今日は携帯のアラームも耳に入らず、こんなお昼の時間まで寝ていたと言うのに。 一体なんの冗談だと言うの? 都が自殺したって。
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