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「ん?変身前の戦闘。さぁこい。ちゃちゃっとやるから」
驚いたことにこのヒーロー、怪人の幹部とはいえ、いたいげな女の子にこんな
にえげつない攻撃をしておいて、更に痛めつける気らしい。中々の外道である。
「・・・・・・ふぅ。我もなめられたものだな・・・・・・こんななりでも、我は大幹部!その程度の攻撃、痛くもなゲフォ!」
今度は鳩尾への右ストレート。このヒーロー、やはりいろいろと外道である。
「っ!普通は喋り終わってから戦闘じゃないの!?さっきから人が喋っているときにボコボコと殴って・・・あんたそれでも人間か!」
ここでデオ、ついに素が出る。根は悪い子じゃないのだ。割とテンプレートを重んじたりするタイプの子なのだ。
「いや、ほら、痛くもないって言ったから、なら大丈夫かなって思って」
そしてこっちも、そんなに悪気はないのだ。ただちょっと、人より思考が適当であるだけで。
「大丈夫なわけないでしょ!?だってこっちの防具、完全に顔とお腹が露出しているやつだもの!アーマーないところ殴られているもの!」
「あの!」
と、ここでデオが人質に取っていた子(女の子)が口を開いた。実に長い沈黙だったと言えよう。
「あなた、ヒーローなんでしょ!?」
人質の子が、ヒーローに問う。
「まぁ・・・・・・一応そうなっているみたいだけど?」
対してヒーロー、返答が曖昧である。
「お願い・・・・・・!この街を・・・・・守って!」
少女の悲痛な叫びを聞いたヒーローは、もちろん
「嫌だよ、めんどい」
拒否した。
「・・・?・・・・・・お願い!こ「嫌だよめんどい」
また拒否した。しかも今度は食い気味に。
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