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・・・てなわけで、主人公であり、ヒーローの銀河英雄(ぎんが ひでお)だ。
いきなりだが、少し愚痴る。
なんだろう、冒頭の部分からして完全に主人公あのちびっこっぽかった。もう一度言うわ、主人公は俺だ。それだけは誰にも譲れん。絶対だ!
・・・すまん、少しムキになりすぎたな・・・・・・今は自室(築三十五年のボロアパート)に戻り、一人でテレビを見ている。何時もなら同居人が一緒なのだが、今日は抜けられない用事があるとかでいない。居たら居たで中々に煩い奴だから、楽だな。
特に面白味もないバラエティを、何を考えるわけでもなく、ただただぼーっと眺める。中々に素晴らしいことじゃないか。こいつにビールと長なす漬けがあったら最高なんだが、あいにく昨日飲みきったのが最後だ。今更出かけるのも面倒だし、白飯とたこわさで我慢しよう。
・・・どうやら、誰かが来たみたいだ。・・・・・・誰だか知らんが、インターホン連打するな。あれか、嫌がらせか?
「はーい、ちょっと待っててくださいねー」
新聞や宗教の勧誘だったら論破して精神めっこめこにしてやる。
と、息巻いて扉を開けると、そこにいたのは一人の少女。
「あ、どうもー。夜分遅くすいません!私、隣に越してきた橘瑠花(たちばな るか)と言います!今うちの両親が『遅くなるからあんただけでも挨拶してきなさい!』って言われまして・・・・・・」
なるほど、今時珍しいご近所回りってやつか。賢そうなお嬢ちゃんだ・・・・・・しかしこのお嬢ちゃん、間違いなくデオだよな・・・
・・・あ、なんか向こうも気づいたっぽい。なんでお前がここに!?みたいな顔してるし。
「・・・・・・はっ!す、すみません!あまりにも知り合いに似ていたもので!えと、あの、失礼しました!」
脱兎のごとく逃げて行ったな・・・・・・隣の部屋に。
あんまり意味ないんじゃないのか?まぁ、俺もプライベートとオフィシャルは分ける人間だし、良き隣人として迎えてやるか。
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