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放課後は毎日、部活へ行っていた。
私はバスケ部のキャプテンだ。
小学生の時からミニバスのチームへ入っていて、バスケ暦は7年目になる。
身長は168センチ。なんとか大学女子の平均ぐらいはある。
大学バスケに憧れていたし、あわよくば社会人も、と考えないわけでもなかった。
私の10代の時間はバスケと共にあったし、明るい未来が広がって……
……もうやめよう。
怪我をした今の体では、むなしいだけだ。
それでも私は毎日体育館へ足を向ける。
顧問の先生しかいないバスケ部で、コーチ役をつとめるためだ。
バスケ部は人数が少なくて男女合同で練習をしているので、少しだけ楽しみもあった。
「水野」
名前を呼ばれるだけで、テンションが上がる。
低く響くいい声。
「先輩、お疲れ様です!」
「おう」
3年生の前キャプテン、ハヤカワ先輩だ。
目鼻立ちが整っていて、上品な感じのイケメン。
身長も高くておまけに成績優秀。
私もバスケ部に入部してから、密かにずっと思いを寄せてきた憧れの人だ。
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