第1章 高校 (1)松葉杖バスケットボール

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------ 放課後は毎日、部活へ行っていた。 私はバスケ部のキャプテンだ。 小学生の時からミニバスのチームへ入っていて、バスケ暦は7年目になる。 身長は168センチ。なんとか大学女子の平均ぐらいはある。 大学バスケに憧れていたし、あわよくば社会人も、と考えないわけでもなかった。 私の10代の時間はバスケと共にあったし、明るい未来が広がって…… ……もうやめよう。 怪我をした今の体では、むなしいだけだ。 それでも私は毎日体育館へ足を向ける。 顧問の先生しかいないバスケ部で、コーチ役をつとめるためだ。 バスケ部は人数が少なくて男女合同で練習をしているので、少しだけ楽しみもあった。 「水野」 名前を呼ばれるだけで、テンションが上がる。 低く響くいい声。 「先輩、お疲れ様です!」 「おう」 3年生の前キャプテン、ハヤカワ先輩だ。 目鼻立ちが整っていて、上品な感じのイケメン。 身長も高くておまけに成績優秀。 私もバスケ部に入部してから、密かにずっと思いを寄せてきた憧れの人だ。
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