第3章 (22)スタートライン

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「みんな行っちゃった……じゃあ、どこで二人きりになる?体育館倉庫とか?保健室?」 「えっ!?バカ!相変わらず変態!!」 「だって制服のままって、興奮しない?」 「こんなに大切な日にそういうこと言うなんて、大っ嫌い!!」 「俺はそんなリコちゃんがたまんないけど」 「高校に通ってる間、そんなこと言ったことなかったのにー!」 「あと80年ぐらいは相手してもらうからね」 「ながっ!!」 アキラが笑い声を立てた。 「やべ、リコちゃんと一緒にいると最高に楽しい」 私も笑って返した。 「数ヶ月ぶりとは思えないよね」 「ああー……やっぱり、君がいないとダメだわ、俺」 「よく言うよ!」 「いや、マジで。リコちゃんと再会できて、やっとスタートラインに立てたって感じがする」 私とアキラはすっかりボタンのなくなった高校の制服のまま抱き合い、ずっと長い時間じゃれあって笑っていた。
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