第3章 (22)スタートライン

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私は女子高生。普通の女の子。 ちょっとだけ人よりバスケを真剣にやっていて。 ちょっとだけ足が速くて。 ちょっとだけ背が高くて。 でも、それだけの人。 それが誰かのオンリーワンになった時。 自分に自信が持てる。 新しい世界が開ける。 変わって行くことも怖くないと思える。 「幸運の女神」という言葉があるけれど。 私が持っていたのは、アキラに見つけられたという、ただ一つのラッキーだけ。 そのことに感謝しながら、一緒に歩いて行こう。 彼の夢を助けよう。 注がれる愛情にふさわしい自分になろう。 2014年3月1日。 私、水野莉子、あと9日で18歳。 彼、矢上明良、17歳。 アキラ、私を好きになってくれて本当にありがとう。 今では負けないぐらい、私もアキラのことが大好き。 1ミリでも、そばに。 1秒でも長く、一緒にいたいよ。 こんな気持ちになるのは世界中でアキラだけ。 いつどこにいても、これからは飽きるほど隣にいても。 ……あいしてる。 BMXに乗った、マイペースでユニークな世界一の彼氏。 この愛しさは一生続く予定……だよ。
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