第3章 (22)スタートライン

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------ 「えっ?ビザの更新?」 ……君を迎えに来たよ、なんてかっこいいこと言ったくせに! アキラが一時帰国したのは、1年間の申請になっていたアメリカ滞在ビザを更新するためだったのだ。 「バカ!ウソつき!次に会うのはアメリカだねって言ってたのに!」 それだったら、3月に帰ってくるのってかなり前から予定されてたってことじゃん! アキラに会えるのはまだ先だと思って耐えてたのに、私だけ知らなかったってバカみたいじゃない? 「サプライズで、リコちゃんを喜ばせたかったからー!感動したでしょ?」 「つんつるてんの丈で何言ってんの!」 後からよく見たら、アキラの古い制服はもうかなり小さくて、袖もズボンの丈も短くなっていた。 この人、どれだけ体が細胞分裂したわけ!? 赤ちゃんかよ!!!! 「そんなに怒んないでよ、サツキ先輩にいいものもらったから」 「何?いいものって」 「ほらー」 アキラはピンク色をした名刺大のカードを見せてきた。
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