第3章 (22)スタートライン

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『Boutique Hotel Flower』 「ブ……ティックホテルって!」 私はどういう場所のカードなのかをすぐ悟った。 「オシャレで清潔なところだってサツキ先輩言ってたよ」 「ねえ、欧米のデザインホテルと違うからね?ブティックホテルって……」 「わかってるよ?」 アキラは初めてしゃべった日に「お姫様抱っこしようか?」って言った時みたいな表情。 口にしている内容と、恥じらいの全くない顔にいつもギャップがあるんだよ! ……むっ、無邪気に笑うな!! 彼にこんな風に笑われると、全部許せてしまう自分がなんかおかしい。 「さ、じゃあ行こっか!ブティックホテル」 「……行かないよ!パーク行くよパーク!」 「はいはい」 アキラは乗ってきたBMXにまたがった。 高校に乗ってきているのを見たのは初めて。 制服の生活から、彼の競技だけの生活へ。 にっこり笑うアキラのバイクは、フレームが白でハンドルがピンクと黄緑。 フレームの根元には、Rの頭文字が燦然と輝いている。       -完-
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