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それは、混雑した高速道路パーキングのトイレ。
並んでいたはずなのに、次から次に女子生徒が横入りしてくる。
「邪魔だよ?!トイレ入らないなら、外出ろよ!」
この時の私が、何故 暗かったのか。
それは
「近くに来んなよ、ブスが移るって!」
外見に自信がないのも含めて、
私は、自分を可愛がる事ができずにいて
「S中の皆さん!早めにご乗車くださいねー」
「あのバスガイド、ウザ!」
「なに、ずぶ濡れで突っ立てんだよ?!烏山、お前男子トイレでやってこいよ!」
「ほら、男子なら空いてるから!」
人からの非道的な仕打ちにも、
″ 痛い ″と、
心は叫べなくて____
「3組の皆さん、全員乗車しましたか?」
「烏山さんが、親戚の人と会って、一緒にどこか行っちゃいました!」
「なにぃ?聞いてないぞ!」
「あの子、なんも話さないから」
「他の組のバスに遅れるので、出発しますよー」
誰も、私をわかってくれないのが、当たり前の毎日だった。
「…………開かない」
修学旅行先の高速道路のトイレ【しかも男子】に、何らかの細工で、閉じ込められてしまった私。
こんな、私に
誰も 気づいてくれない。
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