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ふよふよ。
ふよふよ。
とある部屋――いやとある空間というべき場所に一人の男が浮かんでいる。
全体にシミ一つない純白のその空間に、その男だけが一つのシミのように存在している。
この空間には重力という概念がないのか男はその場で制止したまま浮いていた。
その男は微かに声を発し、ふるふると目蓋を小刻みに震わせゆっくりとそれを上にあげた。
「っ……。……?」
男は回りの異常な白さに驚き回りを見渡す。
何処を見てもシミ一つない純白のその空間に困惑した表情を浮かべ、何故こんな場所に自分がいるのか状況を考え始める。
「……夢か」
男は暫くしてそう結論を出した。
来た覚えもない場所で目が覚めたことと回りの異常さで、今が現実ではなく夢の世界なのだと男は思ったのだ。
夢と分かったことで男は今度はゆっくりと辺りを見渡し――
「しかしなんだこの変な夢は……」
男は自分が見ている夢に困惑と疑問を口にした。
いくら自分の夢でも何故こんな夢を見ているのか分からない様子。
だが夢とは元々そんなもの。
意味のある夢などそうそう見ることはない。
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