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幼女は自分がいる場所が分からないのかキョロキョロと辺りを見渡しながら小首を傾げるも、何かに気づいたのか視線を空中にさ迷わせる。
視線の先には紙でできた紙鳥が飛んできていた。
紙鳥は幼女のところまで来ると止まり木を探しているのか空中で停滞している。
幼女は仕方なしに右手の人差し指に止まれるように差し出し紙鳥を止まらせた。
《無事こちらに到着出来たようで何よりです》
「……!」
紙鳥から意識を失う前に聞こえていた、男のようで女のようで、子供のようで老人のような声が聞こえて幼女は目を見開いて驚く。
どうやらこの幼女はあのときの男だったようだ。
何故姿形が変わっているのか今はおいておこう。
《いいですか、先程も申しましたようにこれは全て現実です》
貴女もなんとなく解っているでしょうと紙鳥が聞くと、幼女もなんとなく解っていたのか複雑そうな表情で頷いた。
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