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安定した収入を失った両親は、アタシを連れて都落ちをして、遠い島へ逃げ込んだのと同時にアタシも、転校を余儀なくされました。
この時父は『よく考えてみたらパイロットには向いていなかった…親方日の丸をなくしても、元気な体さえあればどこでも雇ってくれる…元気な体が働く資格だと言うことに気がついたよ…』と言いまして、島の水産加工会社に再就職をしました。
父は、最初のうちは張り切ってがんばっていましたが、数ヶ月たった頃に『オレは一体、何をやっているのだ……こんなはずではなかった…』とつぶやいて、やる気をなくしてしまいました。
それから父は、出勤と欠勤を繰り返すようになってしまいました。
母との大ゲンカも、毎日のように起こっていたので、家族関係に深い溝ができてしまいました。
そして、アタシが小学校を卒業した時に両親が他界しました。
ひとりぼっちになってしまったアタシは、中山(伊予市)にいる親戚の家に転がり込むことになりました。
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