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フロウ「ハァ・・・敗けだな」
シャル「ええ・・・敗けですね。」
フロウ「あんな特殊な能力があるとは」
シャル「ええ、私も初見でした。恐らく、あれは亜種、ですね。魔物を呼び寄せるなんて前例が有りません。王に報告する必要が有ります」
フロウ「面倒だな・・・森中の魔物を殺しても良いってんなら簡単なんだが」
シャル「それが出来ない以上、簡単には乗り込めませんね・・・」
フロウ「仕方無い」
威圧を使う。
この状況で戦意が削げた魔物を殺すのは面白く無いが、レインの学園の為だ。
愉しみは少し我慢するとしよう。
フロウ「シャル、俺が"力"を使う」
シャル「力、ですか。あまり使いたがらなかったのに、どうしたんですか?急に」
フロウ「レインの学園の為だ。」
シャル「・・・ふふ、そうですか。では行きましょう」
フロウ「ああ、行こう」
『ギイィィィィィイィィィィィィ!!』
フロウ「警戒態勢に入ってたか・・・」
道を戻ると、フォレストクリーチャーは直ぐ様森中の魔物を呼び出した。
シャル「フロウ」
フロウ「ああ。」
《威圧》
『ギ・・・?』
集まってきていた魔物も、怯えて逃げていった。
フロウ「力一つでこれだけ変わるものか」
シャル「ええ、羨ましいですね・・・その力。私も欲しいですよ」
フロウ「ハッ、戯言だな。お前だって殺気か魔力で同じような事出来るだろ?」
シャル「ふふ、過大評価しすぎですよ?」
これでも過小評価だ。シャルは恐らく、想像を超えてくる。
まぁ、コイツはコイツで力を見せたがらないからな・・・
ビシュッ!ヒュンヒュンッ!
フロウ「おっと」
フォレストクリーチャーの攻撃を、手の甲で弾いた。
いや、弾いたというより受け流した、が合ってるか。
枝がゴムのように伸び、触手のように動く。
そして、つい癖で受け流したが・・・力が制限されているこの状態だと、かなり痛い・・・
シャル「えらくスムーズに弾きましたね?やはり、フロウは底が知れませんよ」
フロウ「ああ、まぁ。癖でな?お陰で手が痛い」
シャルはたまに、こうして詮索めいた事を言ってくる。
まぁ、気にしないが。他人に詮索されるのが嫌なだけで、身内に詮索されるのは対して気にならない。
身内贔屓ですが何か?(・´ω・`)
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