尽くす男、フロウ

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あの制圧任務が完了してから2日後、シャルは王の元へ報酬を受け取りに行った。 シャル「フロウ、やりましたよ。報酬が、何と500万Gも増えました」 フロウ「500万G・・・やったな。」 シャル「ええ。それと、新しい任務を1件程持ってきましたよ?これも少し報酬が高く、400万Gです」 フロウ「ほう・・・内容は?」 シャル「"フォレストクリーチャー"という、大木に擬態した肉食性の魔物の討伐です。5年に一度擬態を解き周辺を荒らし回るという何とも迷惑な魔物なのですが・・・この王国付近に目撃情報が出たのです。恐らく、そろそろ5年目に突入するのでしょう。新たな地を求めて、ここまでやってきたのでしょうね。」 フロウ「ふむ・・・報酬はもう少し多くてもいいんじゃないか?相手がフォレストクリーチャーなら、山が滅びる可能性もある。」 シャル「ええ、ですのでギルドへの依頼ではなく騎士への依頼なのですよ。」 フロウ「・・・成る程。騎士は安く任務を受けてくれる都合の良い駒ってか」 シャル「断りますか?」 フロウ「いや、行こう。俺等には金が無いからな」 シャル「分かりました。では早速・・・」 シャルは行動が速い。 あの話が終わってからまだ20分と経っていないのに、俺達は既に目撃地点に居る。 恐らく、俺が任務を受けると言う前・・・この任務を見た時から、色々と情報を探っていたのだろう。 フロウ「さて・・・」 俺は気を探り、シャルは魔力を探る。 それから20分程が経ったところで、フォレストクリーチャーを発見した。 俺達は同時に走り出す。 フロウ「シャルは左側を頼むぞ。俺は右側をやる」 シャル「ええ、任せて下さい」 剣を抜き、フォレストクリーチャーを間合いにいれると同時に横に凪ぐ。 「ギィッ・・・!?ギィィィィイィィィィ!!」 フロウ「シャル!これは何の音だ!」 シャル「ハッ、タァッ!分かりません!フォレストクリーチャーがこんな鳴き声を出すなんて、私も聞いた事が有りません!」 少し周りの気配を探ってみると、森中の魔物が集まってきていた。 恐らく、あの鳴き声は魔物を釣る音。時には味方に、時には餌にする都合の良い鳴き声だ。 フロウ「シャル!森中の魔物が集まってきてる!一旦退くぞ!」 今の身じゃこれはキツい。 シャル「なッ・・・分かりました!」
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