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「ヘイヘイ」
おかんは俺達の部屋に入る時、ノックなんかしない癖に。何でだよ、面倒くせーな。
両手が布団で塞がってる俺は、足でドアを蹴飛ばす。
ドアが開き、ドングリが俺を見上げた。
「ほらよ、布団」
「明月は重くて、持てないよ」
「何だよ、役に立たねーな。聖奈、布団」
「…ありがとう」
俺に背を向けていた聖奈が振り向いた。トレードマークの三つ編みをほどき、学校で見る聖奈とは別人みたいだ…。
俺の心臓が、トクトクと音を鳴らす。
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