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【聖奈Side】
いつものように早起きして洗面所に向かうと、玲央が立っていた。
あたしの心臓は、バクバクと走り出す。
――「覚えてる?俺達の…約束」
覚えてるに、決まってる。
だけど、あたしは忘れた振りをした。
玲央には彼女がいる。
綺麗な彼女…。
あんな約束、もう意味がないから。あたしが覚えていたら、玲央は困るでしょう。
だから…聞いたのかな?
覚えてないと聞き、安心したかったのかな?
あたしは…
こんなに…苦しいのに。
玲央は…狡いよ。
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