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「あなたと話せて良かったわ。幼なじみって、無神経に近付いて玲央の心を乱しそうだったから、心配してたの。聖奈ちゃんは、ちゃんと理解してくれてるみたいね。ごめんなさい、時間をとらせて…。失礼します」
「いえ…」
優花さんは自分の言いたいことだけをあたしに告げると、軽く会釈して公園から出て行った。
「あたしが…玲央の心を乱すわけないじゃん。玲央の心の中に、あたしは最初からいないんだから。…バカみたい」
公園のベンチにペタンと腰を降ろした。太陽がゆっくりと傾いていく。
――夕日…
茜色の夕日…
あの日と同じ夕日……
あたし…何やってんだろう。
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