王子と姫のKIMOCHI

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――不意に玄関で声がした。 「……玲央…いるの?」 聖奈…? 部屋から出て、二階の吹き抜けから玄関を見下ろす。 「聖奈、どうしたの」 「玲央…上がってもいい?」 「うん、捌けてるけど上がって」 三つ編みをしていないストレートヘア。恥ずかしそうに笑った頬には小さなエクボ。 愛らしい笑顔に、幼い日の聖奈を思い出す。 玄関で脱いだ靴を揃え、スリッパも履かずトントンと二階に上がって来た聖奈。 「わぁ…凄いね。足の踏み場もないよぉ…」 聖奈は笑いながら、俺を見上げた。
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