姫の夢とモンスターの決意

22/22
前へ
/39ページ
次へ
「愛梨奈の夢を、俺が潰す事は出来ねぇ。だから、女優として生きていくのか、俺と生きていくのか、自分で決めろ」 「…流…星」 泣いている愛梨奈に、俺は唇を重ねる。 「これで、あいつのキスは消したから」 愛梨奈から離れ、俺は一人でエレベーターに乗り込む。 スタジオに戻ると、スタジオは騒然とし、俺はディレクターや番組関係者に怒鳴られ、暫く自宅謹慎を命じられた。 これ以上問題を起こすと、解雇されるらしい。 スタジオを出る俺とすれ違うように、愛梨奈が入って来た。 泣き腫らした目は、赤く充血し痛々しい。けれど俺の気持ちはもう決まっていた。 愛梨奈が女優の道を選ぶなら、一流の女優になって欲しい。俺がいなければ、愛梨奈の夢は叶うんだ。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

164人が本棚に入れています
本棚に追加