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「愛梨奈の夢を、俺が潰す事は出来ねぇ。だから、女優として生きていくのか、俺と生きていくのか、自分で決めろ」
「…流…星」
泣いている愛梨奈に、俺は唇を重ねる。
「これで、あいつのキスは消したから」
愛梨奈から離れ、俺は一人でエレベーターに乗り込む。
スタジオに戻ると、スタジオは騒然とし、俺はディレクターや番組関係者に怒鳴られ、暫く自宅謹慎を命じられた。
これ以上問題を起こすと、解雇されるらしい。
スタジオを出る俺とすれ違うように、愛梨奈が入って来た。
泣き腫らした目は、赤く充血し痛々しい。けれど俺の気持ちはもう決まっていた。
愛梨奈が女優の道を選ぶなら、一流の女優になって欲しい。俺がいなければ、愛梨奈の夢は叶うんだ。
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