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「幻…甘い夢…」
「短い間だったけど。この数年、素敵な夢が見れた。魔法に掛かったみたいに、夢中になれた。でもね、私にはそれよりも…大切なものがあるって、やっと気づいたの。だから、自分で決めたんだよ。流星が言った通り、自分で決めたの。未練なんてない。流星、止めても無駄だから」
止めても無駄?
そんなぁ……
「そっか。わかった…」
俺はガックリと肩を落とす。
俺よりも大切なもの…
女優は、愛梨奈の天職だからな。
今、人気絶頂だし。
愛梨奈なら、年齢を重ねるにつれ、もっと素敵な女優になれるはずだ。
それに、ディレクターを殴った俺は、このまま解雇されるかも…。無職の俺に、未練なんてないよな。
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