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――そしたら…
大星はくれたんだ。
あたしに、大星の部屋の鍵。
あの日…
あたしが大星に投げ付けた鍵。大星の額に、あの時の傷痕がうっすら残ってる。
大星はあたしに鍵を投げると、少し口角を引き上げ、バイクを発進させた。
信じていいのかな?
『ちゃんと交際しよう』
あの言葉は、大星の本心なの?
大星の部屋の鍵を握り締める。
あたし…
もう一度だけ、大星に恋してもいいの?
大星が仕事に行ったあと、大星の部屋に入った。部屋の中は、三年前と変わっていなかった。
ベッドに視線を向ける。
嫌でも思い出す、あの日の光景。
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