失恋と姫の家出

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静まり返った室内。 微かに聞こえるママの声…。 十五歳のあたし…。 今、ママの部屋で何が行われているのか、目で確認しなくてもすぐにわかった。 ――あの日の… 大星と女の裸体が脳裏に浮かんだ。 オトナなんて… みんな嫌いだよ…。 みんな、大嫌い!! あたしはドンドンと床を鳴らし部屋に入ると、洋服をキャリーに詰め込んだ。 息を潜め、静かになったママの部屋。あたしは靴を履き玄関から飛び出す。
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