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「大ちゃ…ん」
甘く切ない声を聞きながら、俺は再び明月の唇を塞ぐ。
――俺達が出会ったのは、十年前。
小さな明月は、まるで男の子みたいだった。
『ドングリ!』
『大ちゃんは、ライオンみたい~』
幼稚園児の明月に手を焼きながらも、妹がいない俺は、明月が可愛くてたまらなかった。
――「やっぱり、大ちゃんはライオンみたいだね」
俺の腕の中で、成長した明月が笑う。
「明月、俺は肉食だから。覚悟しろよな」
「大ちゃんこそ、覚悟しろよな」
小さなヤンチャ姫は、いつの間にか綺麗な姫になっていた。
甘い声を漏らしながら、魅惑的な顔で俺を誘惑する。
俺達がこうなることは、きっと十年前から決まっていたんだよ。
初めて逢ったあの日から、きっと……。
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