プロローグ

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 神は全てにおいて平等だった。生き物が増えすぎれば災害を起こして間引く。そうして自然を守った。逆に、生き物に危機が訪れれば天啓を与えて乗り越えさせた。そうして均衡を保たせた。  やがて、神は天使を生み出した。自らの代行として。人々からの信仰を天界に集める為に働き、やがては次の神となる、そんな存在を。天使は良く働き、天界を、地上を良き場所へと変えていった。神は満足気に神座に座っていた。  ――だが、天界は徐々に変わっていった。  人々の信仰を全てのエネルギーとして存在する天界。そもそも、神が地上に干渉するのは、天界を存続させるためなのだ。天使達とはいわば、それの為のみに特化された存在だった。彼らの働きによって安定的な信仰の供給を得た天界。神はただの傍観者となった。無論、生命の安定が崩れれば天罰を下すことはある。だが、それは最早戯れに近いものだった。信仰は天使達が勝手に集める。神は生命にとって敵でしか無くなった。だが、人はその敵の存在すら気がつかず、ただ、何時起こるかも分からない災害に怯えた。  やがて、天使達も怠惰になっていった。宗教が生まれ、信仰を集める必要すら無くなったからだ。天使は人を家畜としか思わなくなった。    ――僕は、そんな天界に絶望して身を堕としたのだ。  
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