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部屋はとても静かだった。
何一つ装飾のない真っ白な壁に、窓に寄り添うように置かれた木で出来た小さなテーブル。その上に掛けられているオレンジ色のレースがついたテーブルクロスは、テーブルと比べて大きすぎたようで、机からだらりと垂れ下がっている。
ちらりと薄桃が部屋を舞うと、テーブルの本が小さく笑った。
窓際には大きな白いベッドもあり、そこにはたくさんあるふかふかの枕に顔を埋めて瞳を閉じている少女がいる。カーテンをエスコートしている風が、少女の細くて柔らかい茶色の髪をふわりと撫でた。
少女は数日前に布団に潜って以来、一度も目を覚ましていない。
どこか憂いているような笑っているような目元は開くことなく、仮面でもかぶっているように見える。
枕元にある窓枠には、水が半分ほど入った透明なガラスのコップと、倒れた茶色の小瓶が乗っていた。しばらく放置されていたのか、コップにはまだ艶やかな緑色の葉が浮かんでいた。
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