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「…史織、自分に危害を加えそうな者には敏感なのにね…」
「全く知らなかった。」
「気をつけなよ?ファンの中には熱狂的な子もいて…」
「相武せんぱぁぁぁぁぁい!!!!!」
『ドンッ!』
愛を突き飛ばして現れたのは見慣れない学生。リボンの色からして、1年生だろう。
「先輩!私、やっぱり先輩の事が好きで「はーいすとおおおおおおっぷ!!」
突き飛ばされた愛が復活した。
…あ、違う、これは復活前よりMPが回復してる。究極奥義、『愛の怒りの鉄槌』がくだされるな。
「1年生ね、名前は?」
「誰ですかあなた。私は相武先輩に用があって…」
「な・ま・え・は?」
あーぁ、1年生完全に怯えちゃってるじゃないか。やっぱり愛のこの迫力は恐いよね…
「い、1年A組の神田美咲(かんだ みさき)です…」
「神田さんね、次上級生に失礼なマネした上に史織に何かしたら…分かってるわよね?」
「は、はいぃぃぃぃぃぃ!!」
脱兎の如く逃げ出す神田さんに内心少し同情しつつ、アタシは愛のご機嫌とりに励もうと決意した。
「あ、愛、クレープでも食べに行く?」
「あ、いーね!!行こう行こう!!…それにしてもさっきの、次来たら徹底的にやるしかないわね…」
「ど、どうしたの?そんなに怒って…?」
「…コホン。史織、よく聞きなさい。」
愛が咳払いをわざとらしくする=お説教一歩手前。よく覚えておくといい。ここテストに出るから。アタシはこれ覚えるまでに1ヶ月かかって…
「聞いてる?」
「き、聞いてるよ!!で、何?」
「…まぁいいわ。話は、ファンについて。密かに応援されてたり、調理実習のお菓子プレゼントまではいいわ。…だけど!下校時にストーキングされたり私物を盗まれたりする場合は絶対私にいう事。いいわね?!」
「そんな事ないだろうけど…分かった。」
愛ってホント心配性だな。気持ちはありがたいんだが、アタシに意識を向け過ぎだろう。もっと自分の事を考えればいいと思うな。
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