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「で、ホントに何もないの?史織。」
「だから何の話?」
クレープを食べながら愛に尋問を受けること約1時間…クレープ2個目突入してますよ愛さん…
アタシはというと、未だに慣れないこの生クリームや生地と格闘中で、半分も食べられていない。
実は高校に入って、愛に誘われるまでクレープの存在も知らなかったのだ。
「だーかーら!聞いてる、史織?」
「うぉ!ごめん、聞いてなかった。」
「はぁ…いい?史織はあの姫と人気を二分してるんだよ?!そりゃもう有名人なの!分かる?」
「ひめ…?可愛いんだな。」
「そうだよ!そこらへんの女の子よりよっぽど可愛くて、母性本能くすぐられる感じの男の子だよ!知らないの?!」
知らないのって言われても…知らないよね。
「で、その子とアタシが二分してると。」
「うん。聞いたところによると、姫…朝日恵亮(あさひ めぐる)は1年にして学園の女子の半分をいただいちゃってるらしいし、可愛いだけじゃないみたいだけど…」
「ん?いただく?」
「皆あの可愛い顔に騙されて食べられちゃってるのよ!…まぁ、女の子も進んで食べられようとしてるみたいだけど…」
「ひ、人を食べる?!その朝日とやら、化物か!」
「…え?」
「愛、その朝日は何組だ?!明日アタシが成敗してやろう!」
「…ちょっと落ち着きな、史織。」
「これを落ち着いていられるか?!急がなければまた新たな犠牲者が…」
「いいから落ち着きなさい。」
あ、怒りの鉄槌だ…大人しくしよう、うん。
「食べられるってのはあくまで比喩ね。その朝日クンに、皆キスされたりそっから先のあんなことやこんなことされちゃってるってワケ。分かった?」
「キ…キ?!…接吻など、破廉恥な…!」
「ちょ、史織…接吻なんて言う女子高生初めて見たわ!あはははは…お腹痛い…」
爆笑し続ける愛。…いくら友人とはいえ、殴りたくなってきた。失礼だな愛。
「ちょ、ごめんって!待って!もうちょっとで終わ…あははっ…」
…いつ終わるんだ?
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