3人が本棚に入れています
本棚に追加
-15分後-
「ひぃ…ひぃ…笑いすぎてお腹いたあははっ…」
泣きながら爆笑する愛が止まらない。
本当にアタシはこいつの友人でいいのだろうか…友人選びを間違えた気がするな。
「愛、そろそろアタシ激怒するぞ?」
「あーごめんごめん!やっと落ち着いたわー。っていうか、史織また口調戻ってるよ?やっと“アタシ”で1人称慣れてきたのに、勿体無いよ。」
「えっと、じゃあ…アタシ、おこだぞ?」
…えっと、何も反応がないぞ?これは何か間違えたか。というかアタシがこんな話し方したのがダメだったか…
「…史織、たまにすっごく可愛くなるよね。」
褒められた。愛様の厳しいチェックにクリア出来たみたいだ。
「こうやって話してると、史織普通に可愛いのにね…」
嘆かわしいわ、なんて大げさにため息つく愛。何か腹が立つ。
「いい?史織がこれから先、平和に暮らしたいなら、まずそのイケメン性格を出来るだけ抑えて、彼氏作って、ファンを減らすことね!」
ビシッと指を指しながら自信満々に宣言する愛だが、果たしてその予想は合っているのだろうか。アタシには理解できない。
「…まぁ、恋もしたことない史織には理解できないかもしれないけど。」
自分は彼氏とラブラブだからって大人ぶっている愛と、なかなかお互い合わないこの手の話題。
生まれてこの方、未だに恋を知らないどころか興味すらない。それを変だとも思っていないが、どうやら愛から見れば異常でしかないようだ。
「いい?華の女子高生なんだから、経験出来る事は全部やるんだよ?」
「そう言われても…」
「つべこべ言わない!とにかくカッコいいなとか、ちょっとでも気になる男子を見つける事!」
「はーい…」
ここは逆らわないでおこう…っと、おぉ。
「あの女性、可愛らしいね。」
偶然視界に映ったショートカットの明るい茶色の少女に、何故か目を奪われた。
「え、どれ?…って、もしかしてあのキャラメル色のショートカットの子のこと?」
「そうそう。」
「…史織。あれ、男だよ?」
「へー、音子さんって言うのか。知り合い?」
「じゃなくて!!男性って事だよ!」
「だんせい…?…お、おとこ…だと…?!」
「そう!あれがさっきから噂の姫こと、朝日恵亮君だよ!!!」
最初のコメントを投稿しよう!