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 付き合い始めたばかりの梶田とその彼女のことを、俺たちは祝福の気持ちを込めて”新婚”と呼んでいた。  同じバスケ部で、ずっとケンカ友達同士だった二人がくっついた時、周囲からは驚きよりも「やっぱりな」という声が多く上がった。  二人は一年の頃から本当に仲が良かったし、逆にこいつらが別々の誰かと付き合うところなんてまったく想像出来なかったから。 「いいなあ、新婚は楽しそうで。 どこで待ち合わせてんの」 「あいつの部屋」 「……」 「なんだその顔。勝手にエロい想像すんなよな」 「アホか、するに決まってんだろ」 「ちょ、やめろっつーの!」  飛んできた枕をなんなく顔面で受け止め、わざとニヤニヤしながら胸の前で抱き締める。
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