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「ほら、俺ら友達が長かったから。 まずはそこを脱しなきゃいけなかったわけよ。 友達の壁を超えるのって、これがけっこう大変でさ。 そのリストバンドをきっかけにそういう雰囲気にしたかった、っていうのはあるかな。 めっちゃ小さい一歩だったけど、まあ、着実に何かが変わったかなとは思う」 「なるほどねー」  俺が他人事のように相槌を打つと、梶田がふといたずらっぽい表情を浮かべた。 「お前はどうなんだよ、和久井。何か恋愛ネタねえの」 「は?俺?俺はねえよ」 「成瀬さんとはどうなんだよ、家が隣なんだろ? 適当なこと言って上り込んで泊まっちゃえば、寝込み襲い放題じゃん」 「バカッ、おま、……亜優をエロい目で見んじゃねえよこのやろっ」 「見るに決まってんだろ、アホか」  起き上がって思いきり枕を投げ返すと、梶田はそれをひょいと避けた。
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